茶庭と寺院の庭が完成しました
2017.09.06
こんにちは。
日に日に涼しさが増してくる京都です。
季節の変わり目で、お体を崩されたりしていませんでしょうか。
以前、ブログでご紹介した和歌山市内のお庭が完成しました。
寺院の方丈とそれに隣接する茶室に面する庭園です。
「方丈の庭であり茶庭(露地)」ということが、今回計画するにあたってのポイントとなりました。
方丈の庭と茶庭は基本的には性格が違いますので、方丈からは風格ある寺院建物に見合う庭として見え、茶室側からは露地としての風情を感じられるように、1つの庭園の中で性格の違う庭が違和感がないように、緩やかにつなげることを意識しました。
また、計画する上で、樹木や灯籠(とうろう)など、これまでお施主様が集め大事にされてきたものを、できるだけ活用させていただきました。
機能的な面では、地形上の理由で、どうしても雨が建物側に流れてきてしまうため、建物前の排水機能を改善しました。
雨が降ると、建物前に雨と共に土が流れてきて、長い間に溜まった土砂により、排水機能が低下していました。
ですので、庭全体を地面がむき出しならないように、地被(今回は苔)で覆い、土が流れにくくすると共に、下の写真のように、建物まわりの比較的広い範囲を排水しやすい砂利敷きとして、その砂利の下に比較的大きめの排水設備を埋め込み、排水能力をアップさせています。
苔に関しては、お施主様が庭園に造詣が深く、苔の風情をお好みでいらっしゃいました。
ただ、今回の施工させていただいた地域では、京都に比べ湿気が少なく、苔が生育しにくい環境であったため、色々と検討した結果、地面にスプリンクラーを埋め込み、散水で湿気を補えるようにしています。
今年の関西は、暑い暑い夏でしたが、先日伺った折には杉苔は元気に生育しており、スプリンクラーの効果が出ているようでホッとしています。
お施主様には、信頼いただき当店にお任せいただきまして、心より感謝申し上げます。