京都のヤマボウシは満開です!ヤマボウシとハナミズキの違い
2016.05.18
今、京都ではヤマボウシの花が満開です。
ヤマボウシは日本原産で、京都の庭園など古いお庭でもよく見られます。
一方で、ヤマボウシに似た木で、庭木や街路樹として人気のある、通称ハナミズキと言われている木があります。
こちらは、アメリカ原産のアメリカヤマボウシという木です。別名アメリカハナミズキとも呼ばれています。
詳細は省略しますが、ハナミズキは、日米友好で、日本が桜をアメリカに送ったお返しとして、1915年頃に入ってきた、日本では比較的新しい木なんです。
ですが、圧倒的にハナミズキの方が人気です。
ヤマボウシ
出典:建築知識別冊『緑のデザイン図鑑』
ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)
出典:建築知識別冊『緑のデザイン図鑑』
ヤマボウシとハナミズキは、写真のように、お花(総苞片)の先端の形が若干違います。
ただ、圧倒的な人気の違いは、咲き方にあるのかもしれません。
ハナミズキは、花が咲きそのあとに葉っぱが出てくるので、桜のようにとても華やかです。
一方、ヤマボウシは、葉っぱが出てきた後にお花が咲くので、ちょっと地味、いやいや控えめなんです。
しっとりとした雰囲気のお庭にしたい場合は、ヤマボウシの方が合うかと思いますし、洋風の明るいお庭や華やかさを求める空間には、ハナミズキの方が合うかもしれませんね。
こういった樹木一つで、お庭の雰囲気はがらっと変わります。
新たなお庭づくりやお庭の改修をお考えの方は、木が持つ雰囲気の違いを見ながら、樹木選びをされることをおすすめします。
京都の庭師のこだわり
2016.05.14
今回は、当店代表のちょっとしたこだわりをご紹介します。
造園屋にとって、トラックは大事な仕事道具であるとともに、トラックに会社名を入れたりして宣伝に利用しています。
当店のトラックにも、店名ではないのですが、名前を書いています。
↓このような感じです。
左から、TOKUMURA、と“ 花文字 ”という字体で書かれています。
字体は代表のこだわりです。
ちょっとレトロでカッコイイ!
でも、読みにくいので、宣伝にはならないような、、、
こんなところへのこだわりですが、仕事へのこだわりと通じるものなのかもしれません。
当店では、北は青森から南は鹿児島まで、お仕事をさせていただいております。
お近くでこんなロゴの入ったトラックをお見かけの際は、是非、声を掛けてやってください。
世界に一つだけの庭園の石積みの塀
2016.05.05
先日は、京都のお寺さんの庭園の石積みの塀づくりをしてまいりました。
お施主様より古い石材を利用してつくってほしいとのご要望でしたので、
様々な形や年代、産地の違う石材をパズルのように組み合わせて、個性的な石積みの塀をつくりました。
石の持っている個性(でこぼこなど)を活かしつつ、バランスよく石が組み合わさるようにサイズを合わせて加工していきます。
どう組み合わせたら美しく見えるか考えながら、楽しそうに職人たちはノミを振っています。
世界にたった一つの、個性的な石積み塀となりました。
現在は、石は石屋、竹垣は竹屋、たたきは左官屋と分業することが一般的です。
代表は、昔は庭師は庭周りの事は何でもしたんや、と申しており、当店ではできるだけ自分たちで、それらの作業を行っています。
もちろん、大規模な現場や特殊な技術が必要な場合は専門職の方にお願いしていますが、小規模な庭などは、自分たちですることによって、コスト面や庭全体の雰囲気やバランスをコントロールしやすいので、そのようにすることが多いです。
もちろん、仕事が終わった後の片付けもきっちりと行います。
京都の茶庭(茶道のお庭)の剪定
2016.04.24
先日、京都市内の茶道の先生のお宅の茶庭の手入れに伺いました。
一昨年、作らせて頂いた茶庭です。
お庭は少しコンパクトなスペースでしたので、奥行き感が出るように植栽のバランスを配置し、また、お稽古でも使いやすいように、奇をてらわず、基本的な構成となるように作らせて頂きました。
1年ぶりに、伺った時には、モミジなど木々の葉が繁り、苔が踏み石を埋もれさせるくらい元気いっぱいの状態でした。
今回の手入れでは、樹木の透かし剪定と、伸びすぎたスギゴケをカットしました。
モミジの透かし作業中
モミジの透かしは、姿を整えるだけでなく、風や光を通るようにし、足元周りの苔や下草を生育させる目的があります。
また、こちらのお庭は隣家のブロック塀が近接しておりましたので、外周部の樹木は目線の高さの枝葉を徐々に繁らせて、目隠しになっていけるように調整しながら剪定を行いました。
ハスの植付け方法
2016.04.21
先日、大賀蓮のレンコンを分けて頂く機会があり、少し時期的に遅いのですが、早速、休みの日に蓮の植え付けをしました。
最近は、花蓮のレンコンも通販などで簡単に手に入るようです。
ご興味のある方は、下記に簡単に植付けの方法をかきましたので、チャレンジしてみてください。
花蓮のレンコンは食用のレンコンに比べて細いです。
土づくり
赤玉土と田土(ホームセンターで購入できます)を混ぜて水を加えながら、手で撹拌していきます。
植付け
出来上がった土に新芽を上に向け、土の真ん中より下の方にレンコンを沈めていきます。
そして、肥料(カリウムを多く含む)を加えて水を満タンに張ります。
1週間程して
アクが抜け泥が落ち着いたら、ボウフラ対策にメダカをいれます。
泥が黒いので、白メダカが綺麗だと思います。
水は蒸発しますので、適宜足してあげてください。
また、出来れば毎年、最低2年に1回は植え替えをしてください。
レンコンが痩せてきて、花がつきにくくなります。
蓮には沢山の種類があり、当店には数種類の蓮を育てています。
6月~8月にかけて順々に咲いていくので、楽しませてもらっています。
こんな泥の中から、凛とした佇まいの美しい花が咲くなんて不思議ですね。
京都の新緑は今が最高 モミジは新緑もいいんです
2016.04.18
モミジといえば、秋の紅葉(こうよう)というイメージがありますよね。
京都のモミジの名所にも、紅葉の時期には沢山の観光客が訪れます。
燃える様に赤く染まったモミジも素敵ですが、今の季節の新緑のもみじもとても素敵です。
新芽の薄い黄緑色の葉っぱに光があたると、一層透き通り、きらきらと輝きを増し、清々しい気持ちになります。
それに、モミジにも小さくて可愛らしい花が咲きます。
イロハモミジ
そして、初秋には竹とんぼみたいな赤い実をつけます。
建築知識別冊 緑のデザイン図鑑より
このように、モミジは春から秋の落葉まで、沢山楽しめます。
また、この季節は、モミジ以外にも、様々な新芽が芽吹いてくるので、その新芽をみるとついつい触りたい衝動にかられます。
赤ちゃんをみるとほっぺたに触りたくなるのと同じように。赤ちゃん葉の柔らかな感触がたまらないです。
アセビの新芽
この一瞬の、短い新緑の季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。
当店代表が文化庁長官表彰を受けました
2016.04.17
当店代表徳村盛市が平成27年12月、文化庁長官表彰を受けました。
名勝庭園(文化財)の修復の経験を評価いただいたとのことで、誠にありがとうございます。
これまでにお世話になりました多くの方々、皆様方のおかげでいただいたものと思っております。
この場を借りまして、心より御礼申し上げます。
ただ、当店及び家族の間では、EXILEのHIROさんも同時に表彰を受けるとの事で、むしろそちらの方で、盛り上がっていました。
HIROさんは、同時に受賞された方と気さくに写真を撮らせて下さったそうなのですが、代表は写真を撮って頂く事もなく、何やらマスコミが多かったわ~、と言って帰ってまいりました。
家族はとても残念がっていたようです、、、
数日後、HIROさんのDVD作品や本などが送られてきて、事務所の方から、当日お話できなかった旨のお詫びの電話があったそうです。
お忙しいのに、心遣いのできる方なんだなと、感心すると共に、成功される方はこういう方なんだなと、勉強させていただきました。
慢心する事なく、謙虚な姿勢を持ち続ける。
わかっていてもなかなか実行出来る人って少ないですよね。
色々サプライズな出来事でした。
池の護岸の種類と修理
2016.04.10
今回は池のお話です。
池の周囲にある岸の崩れを防ぐ役割を果たしている部分を護岸といいます。
護岸の形式は色々あり、石積みだったり、木の杭が連続的に打ち込まれていたり(乱杭)、洲浜状になっていたり、それ以外にも様々な形式があります。
また、それらを組み合わせて、池周りを構成することもあります。
最もよく見る形が石積みの護岸ではないでしょうか。
岩波日本庭園辞典より
石積み護岸は比較的丈夫ですが、永久的なものではありません。
池お持ちの方、一度池のまわりを観察してみてください。
・崩れかかっていたり
・池に水が溜まりにくかったり
・池のまわりの地面がぐちゃぐちゃするなという事はありませんか?
もしかすると、護岸から水が漏れているかもしれません。
先日、ある庭園の池の護岸から水漏れがあり、水が溜まりにくいとのことで、伝統的な工法で修理を行いました。
まず、石組みを解体して、さらに護岸周囲の緩くなっている土も取り除きます。
そして、もとあったように石積みをしながら、石積みの背面に、粘土等を、ひたすら突き固めて石を固定していきます。
この粘土層が、石積みを固定する役割と水止めの両方の役割を果たします。
実際には、このような感じです。
そして、石積みの目地をひとつひとつ丁寧に埋めていきます。
今回は、文化財の庭園でしたので、上記のような伝統的な工法で行いましたが、現在では石積みをモルタルやコンクリートで固定することが一般的です。
池の護岸ひとつにもいろいろな種類があり、職人の技、手間暇がかかっています。
ぜひ、日本庭園を鑑賞する際、護岸にも注目してみて下さい。
高木の枝の剪定 庭師の技術
2016.04.05
・高木の枯れ枝が落下して、屋根や建物を痛めてお困りの方。
・上記の事でご近所からクレームを言われている方。
・大きくなりすぎてしまった庭木の扱いに悩んでいる方。
重機を入れて剪定するスペースもないし、大事にしてきた木を伐採するのも気が引ける。
お悩みの方は多くいらっしゃいます。
先日、長年お世話になっているお寺さんに伺いました。
境内の周囲には大きな杉が沢山あり、暴風で内部が腐った杉が倒れ、近くの建物を潰してしまったそうで、境内にある高木の枯れ枝の剪定をご希望されていました。
境内には重機が入らないため、25m近くある高さの杉4本の、落下の恐れのある枯れ枝を、人力で除去してきました。
はしごとロープでひと枝ひと枝ロープを掛けながら、慎重に登っていきます。
この作業はとても熟練を要する技術です。
危険な枝を除去し、さらに木全体のバランスをみながら自然な樹形になるように整えていきます。
人力で高木に登る技術と、自然に美しい樹形に整える技術が両方が揃って、お客様に満足して頂くことができます。
お陰様で、お施主様からは、杉が松のようになったとお褒めいただきました。
ありがとうございました。
ごあいさつ
2016.04.04